漢字の成り立ち

漢字の成り立ち「田」

 

成り立ち博士
成り立ち博士
こんにちは、成り立ち博士です。

 

小学校一年生で学ぶ漢字の中には「田」という字があります。

書き方や意味などの紹介はもちろん、この字には面白いうんちくもお話ししたいと思います!

 

では最初は成り立ちから見ていきたいと思います。

この文字はどこから誕生したのでしょうか?

漢字の成り立ち「田」
(象形文字)

 


(金文)

 

 

区切られた狩りのためのエリアや耕された土地を表しています。

次にこの漢字の意味を見ていきましょう!

漢字「田」の意味

稲を作る耕地

「水田」や「田んぼ」、「新田」で使われます。

主な意味としては、耕して稲を作る場所として使われています。

地域として

田があったり、以前田があった地域において、その地名に「田」が付けられていることがあります。

神社の儀式の場所として

例:「神田」

神社の土地は神様の土地と考えられいて、その土地の売り買いは禁止されていました。

人名として

名字にもよく利用されており、「田中」・「田淵」などが代表例です。

特に「田中」は日本を代表する名字の中の一つです。

物を作り出す場所

これは他の名詞と一緒に使われる事で、その名詞を作り出す場所になります。

「油田」や「塩田」が代表的な例です。

猟のこと

例:田猟

「田」も「猟」も狩りを表しています。

 

では次に読み方について見ていきましょう。

一体どのように読まれるのでしょうか。

漢字「田」の読み方

音読み

「デン」

例:田園(でんえん)、油田(ゆでん)、田夫野人(でんぷやじん)⇒行儀が悪く、学問的な知識が乏しい人

訓読み

「た」

例:田螺(たにし)、田畑(たはた)、田人(たうど)、田作る道は農に問え(たつくるみちはのうにとえ)⇒何かをする時は専門家に聞くと早く成果が出るという意味。稲作を作る時の教えに由来。

その他

田る(かる)、田り(かり)、田舎(いなか)、田圃(たんぼ)

次に綺麗に書くためのポイントを伝授しますね。

漢字「田」の書き順・書き方
(五画)(部首:田)

五画の「田」はただの四角い感じではないんですよ。

上手にかけるよう見ていきましょう。

一画目

・マスの左上から少し内向きに、下へ書き止めます。

二画目

・一画目のスタート地点から少し下から右へ書き、一旦止めます。

・そのまま鉛筆を離さずに、少し内向きに下へ進んで止めます。

・一画目と内向きの角度が同じになるようにします。

三画目

・二画目の横線の中心から下へまっすぐ書き、止めます。

四画目

・一画目の真ん中から右へ書く。

五画目

・一画目と二画目の最後が少し出るように書く。

四つの空間の大きさが同じになるように書くと綺麗に見えますよ。

 

左下の空間が広くなるように書くのが、綺麗に書くためのポイントです。

 

では田に関するうんちくを紹介していきます。

田の神に関する石像があることを知っていますか。

漢字「田」のうんちく

鹿児島県の田の神様

日本には昔から様々神を信仰する風習がありますね。

例えば海の神が有名です。

そして田の神も存在しているのです。

田の神は稲作などを司る神で、昔の人は田の神に五穀豊穣(ごこくほうじょう)=豊作(ほうさく)を願っていました。 

そのような風習は今でも全国的に見られています。

そしてその風習が今でも色濃く残している地域があります。

それは薩摩藩の領地であった鹿児島県と宮崎県の一部です。

このエリアの田園地帯を歩いていると至る場所に石像があります。

この地域は桜島や霧島などによる火山性の土地です。

そのため他の地域よりもお米が育ちにくい地域でもあります。

薩摩の人々は田の神に五穀豊穣を祈っていたんでしょうね。

 

では次のうんちくです。

田んぼの土はいつも同じなんでしょうか?

実は違うんです。

田んぼの土はいつも同じではない。

田んぼの土は常時同じ成分とお考えですか。

実は違います。

同じ土地の田んぼもその時の自然状態で成分が違うのです。

米農家は良い田んぼにするために、水や肥料の配分を変えているんです。

肥料の配分は単純に出来るものではありません。

このように、本当に美味しいお米を作るための田んぼ作りには、豊かな経験が必要なんですね。

漢字の成り立ち「田」のまとめ

それでは漢字の成り立ち「田」についてまとめていきましょう。

  • この漢字は区画された狩猟地や耕地を表した象形文字が起源。
  • 音読みだと「デン」訓読みだと「タ」と読まれる。他の読み方もあるが、あまり一般的ではない。この二種類の読み方をマスターしておけばまず大丈夫。
  • 左下の空間を広く書くのが、この字を美しく見せるためのポイント。
  • 水田や田んぼとしてよく使われる。また人の名字にもよく登場する。特に「田中」という名字は日本を代表する名字として認知されている。 「塩田」など名詞と結び付いて使われる場合もある。
  • 全国的に田の神はあるが、薩摩藩の影響が残っている鹿児島県と宮崎県の一部には、田の神の石像がある。このエリアの田園地帯に行くと、至る場所に石像がある。
  • 田んぼは常に同じ成分ではない。そのため水や肥料を調整しなければいけない。本当に美味しいお米を作るためには、単に稲を育てる技術だけでなく、水や肥料の調整の経験も必要。

 

漢字の「田」を覚える時には、このようなことも一緒に覚えておくと良いでしょう。

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