本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。
「翔」は名前で使ってはダメ!?漢字の成り立ちから見るその理由
成り立ち | 形声文字 |
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部首 画数 | (部首) 羽 (はね)(画数)12画 |
読み方 | (音) ショウ(訓)かけ–る・ と-ぶ |
学年 | 常用外漢字 |
漢字検定 | 1級 |
「翔(ショウ)」は「羽」と「羊」が組み合わさって成り立った形声文字です。
漢字の意味は、
・飛翔「鳥が空高く飛ぶ」
・回翔「翼を張って飛び回る」
・広い
・詳しい
・振り返る
です。
「翔」という漢字は名付けで非常に人気の漢字です。
確かに「翔」が付く名前で世界で活躍している選手や有名人も多く、「いろいろな世界に羽ばたいて活躍してほしい」という願いも込められており、この漢字を使いたい、というご両親の気持ち分かります。
漢字の形もカッコイイですしね。
しかし一方で、「翔」という漢字はその成り立ちからあまり名付けに向いていない、という話もあるのはご存じでしょうか?
その理由は「翔」の左にある「羊」と「流行り」が関係しているようですよ。
詳しく見ていきましょう。
名付けに「翔」が良くないと言われる理由
名付けに「翔」が良くないとされる理由は2つあります。
一つ目は、羊が家畜であるから。
単純に家畜を名前で使うのはどうかという理由。
また二つ目は、中国の一部の地域で、トイレに行くことを「翔」で表現することがあるから。
「翔」を「便」の意味として使うことがあるそうです。
ですので「大翔(ひろと)」という名前は実は「大便」となるのですが・・・
これはネットの掲示板で10代~20代で流行っただけの話。
中国でも普通に使われる漢字ですので、この理由で名付けに使わない理由にはならなさそうです。
上記理由で避けた方が良いという人がいるようですが、先ほどもお話しした通り、「翔」という漢字は中国でも良く使われる素敵な漢字であることは間違いありません。
では「翔」の漢字の成り立ちとはどんなものなのでしょうか?
家畜としての「羊」を左側に付けたことが気にならなくなる素敵な成り立ちですよ。
漢字の成り立ち「翔」
(形声文字)
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「翔(ショウ)」の旧字は「」で、意味を表す「羽」と、音を表す「羊(シヤウ)」が組み合わさって成り立った形声文字です。
「羽」は鳥の両方の翼を広げている様子、「羊」は動物のひつじの形を表しています。
羊は古代中国では神様に近く縁起の良い動物とされ、神秘的で容姿の良いものを表すイメージとして使われるようになりました。
「とぶ」という漢字には他にも「飛」がありますが、「飛」がボールなどが機械的に飛ぶという意味で使われるように、「翔」は自分意思で翔ぶというイメージがありますよね。
「容姿が良く意思を持って空(世界)に羽ばたく」とは何て良い漢字なのでしょうか!
しかしながら「羽」だけでも「とぶ」という意味としては使えそうですが、なぜ羊を使うのでしょうか?
「翔」に羊が付く理由
羊を使う理由には、「羊が縁起の良い動物である」ことが大きな理由です。
古代中国では縁起の良い動物(神秘の動物・神の動物)などいわれており、神の使いとして神事などに利用されていました。
外交を行う場合には友好の証として贈答品として使われています。
その羊と鳥が空高く飛び回ることで、縁起がよいとされているのです。
今現在でも「翔」は縁起の良い文字として使われることが多いのも、これらの理由からです。
「翔」は名前で使ってはダメ!?漢字の成り立ちから見るその理由まとめ
では最後はまとめです。
漢字の成り立ち「翔」は、
- 「翔(ショウ)」の旧字は「」で、意味を表す「羽」と、音を表す「羊(シヤウ)」が組み合わさって成り立った形声文字。
- 部首は 羽 (はね)で、画数は12画
- 読み方は、(音) ショウ(訓)かけ–る・ と-ぶ。
- 常用外の漢字。
- 漢字検定は1級。
- 羊が家畜であること、「翔」が10代、20代の間で「便」という意味で使われる流行り言葉であることから避けた方が良いという意見がある。
- しかし成り立ちから言うと自分の意思で世界に羽ばたくというようなイメージがある。
- 「羊」は神様に近く縁起の良い意味がある。
- 「羊」には容姿が良いという意味もある。
以上が漢字「翔」のまとめです。
いかがでしたか?
子供の名付けは慎重に考えたいご両親が多いと思います。
参考になればと思います。