本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。
漢字「教」は体罰という教えから成り立った壮絶な漢字
成り立ち | 形声文字 |
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部首 画数 | (部首) 攵 (のぶん・ぼくづくり)(画数)11画 |
読み方 | (音) キョウ(訓)おし-える・ おそ-わる |
学年 | 小学校2年生 |
漢字検定 | 9級 |
「教(きょう)」は「攴」と「(カウ)」が組み合わさってできた形声文字です。
漢字の意味は
・おしえる「教育」
・神仏のおしえ「宗教」
です。
男の子との名前でも人気があるように「教」という漢字はお堅くも真面目な印象を与える漢字です。
意味は前述の通り「おしえる」という意味がありますが、日本では、江戸時代には寺子屋で子供達が読み書きそろばんなどを学び、その頃の識字率の高さは世界と比べも高かったと言われています。
しかし古代中国では、もっと古くから教育制度が確立されていました。
子供は8歳になると地域の学校に通い、読み書きや道徳的教育を受けていたそうです。
しかしその教育法は壮絶な体罰。
教師は生徒にムチを使って、体で教え込むという教育だったのです。
体罰からくる「教」という漢字の成り立ちを詳しく見ていきましょう。
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漢字の成り立ち「教」
(形声文字)
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教
「教(きょう)」の旧字は「敎」で、意味を表す「攴」と、音を表す「(カウ)」が組み合わさってできた形声文字です。
「」は「爻+子」で、「爻」は矢印が×のように交わっているイメージ、「子」は小さな子供、したがって、「教」の左側である「(カウ)」は、学校で入り混じりながら先生が子供に学びを与えているという意味となります。
そして「攴(後に「攵(ボク)」と形を変えた)」はムチを意味しています。
意味を組み合わせると、「教師が子供にムチを使って学びを与える」という意味となります。
前述した通り、古代中国では古くから教育制度が確立されていましたが、その教育法は壮絶な体罰でした。
教師は生徒にムチを使って、体で教え込んでいたのです。
今でこそ細かいルールが決められ、逆に教師が生徒に萎縮してしまう時代ですが、昭和の時代にはまだまだ体罰はありました。
ほんの数十年前まで体罰があった(今でもクラブ活動などではあり問題になっていますね)ということは、古代での体罰は日常茶飯事であり、想像以上に悲惨であったと想像できます。
教育とは古くより厳しくするべきものという考えがあったからです。
「教」の右側の「攴」はムチを意味していますが、ボクっという叩く音、つまりは、ムチでボクっと叩いているという様子を表したものでもあります。
痛みをもって身体に刻みつけることがが教育であるとする考えが、ごく最近まで行なわれていたのです。
一方で「攴」は右手の形であると唱える人もいます。
これは、「先生と生徒が違いに交わり学びながら手を取り合う」というような意味です。
子育てもよく、「子供に親にしてもらった(子供から学ぶべきことが多いという意)」と言いますが、現代の教育においても、このような生徒と先生の双方で高め合うのが教育であればと願うばかりです。
※
漢字「教」の書き順・書き方
ゆっくり練習していきましょう。
漢字「教」書き方・書き順ポイント
★縦横のマスの中心を意識して書く(ー)。
★縦横画長さに注意して書く(●)。
★4画目は約45度に左へ長く払う(←)。
★9画目は約60度に左へやや短めに払う(←)。
★11画目は真っ直ぐ右斜めに進み、払う直前に右へ角度を変え力強く払う(→)。
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漢字の成り立ち「教」まとめ
では最後はまとめです。
漢字の成り立ち「教」は、
- 旧字は「敎」で、意味を表す「攴」と、音を表す「(カウ)」が組み合わさってできた形声文字。
- 部首は「攵 (のぶん・ぼくづくり)」で、画数は11画。
- 読み方は、(音)キョウ(訓)おし-える・ おそ-わる。
- 小学2年生の漢字。
- 漢字検定は9級。
- 書き順のポイントは、「縦横のマスの中心を意識して書く」「縦横画長さに注意して書く」「4画目は約45度に左へ長く払う」「9画目は約60度に左へやや短めに払う」「11画目は真っ直ぐ右斜めに進み、払う直前に右へ角度を変え力強く払う」。
以上が漢字「教」のまとめです。
いかがでしたか?
教という漢字は11画と、そこそそこ画数が多いにも関わらず小学2年生で学習するとは驚きです。
それほど馴染みがある、よく使われる漢字ということでしょう。