怖い漢字の成り立ち

漢字「官」は祈りに必要な祭壇と干し肉から成り立った会意文字

成り立ち 会意文字
部首 画数 (部首) 宀 (うかんむり)(画数)8画
読み方 (音) カン (訓)[外]つかさ・ おおやけ
学年 小学校4年生
漢字検定 7級

「官(かん)」は、「宀」と、「(たい)」が組み合わさって成り立った会意文字です。

意味は、
・国家の機関、役人「官庁」
・生物体で特定の働きをする部分「器官」「五官」
です。

官は現在では、役人・役所などお堅い存在をイメージさせる言葉ですが、実際の成り立ちはちょっと異なっているようです。

どのような成り立ちなのでしょうか。


漢字の成り立ち「官」
(会意文字)

漢字の成り立ち<会意文字とは>

 

 

 

 

「官(かん)」は、「宀」と、「(たい)」が組み合わさって成り立った会意文字です。

「宀」は屋根を表し、「」は、祭用の肉を表しています。

合わせて、官という漢字は、「干し肉を祭った祭壇」から成り立った漢字なのです。

 

干し肉は、古代中国での戦の時には必ず必要な物でした。

これは兵士たちが食べるためのものではなく、神に供えるために必要とされていました。

わざわざ戦争の場に祭壇を作り、干し肉を祭るのには理由があります。

それは、古代中国では生活全般で神を崇めていたからです。

政治も祭りごとも、シャーマン(神と交信する役職)が神に祈りを捧げてお告げを得て決められていました。

それは戦であっても変わることはありません。

自分達の兵が勝利するために神に祈りを捧げることはとても大事な神事であり、日課なのでした。

軍は戦いの間異動するごとに拠点を作っていくのですが、その拠点には必ず祭壇を作ったそうです。

毎日神に祈りを捧げ自軍の勝利を確実にするには必要な事でした。

この干し肉の形が「(たい)」です。

この干し肉()を捧げている祭壇のある場所(宀)が官となるのです。

ここから更に、兵士たちはいつも(干し肉)を持ち歩いているという理由から、兵士を「」と呼ぶようになりました。

その兵士が屋根のある場所で、神から得たお告げに従い、戦の戦法であったり今後の行動を決めたことから、「官」はいつしか軍を指揮する者を指す言葉になり、中心となって指揮を執る機関という意味から、後の役所という意味で使われるようになったのです。

役人・役所、公務員は、元を辿れば軍人であったということになります。

そう考えると、軍人もある意味では役人と変わりのない立場(主君に仕える立場)であったといえるのかもしれません。


漢字「官」の書き順・書き方

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ゆっくり練習していきましょう。

漢字「官」書き方・書き順ポイント

★全体的に、上の「宀」を横長に書き、四画目~八画目の「」は「宀」の下に縦長く収まるように書く。

★一画目はマスの中心を通るように書く。

★四画目の終始点、六画目と八画目の終点は少しはみ出すように書く。


漢字の成り立ち「官」まとめ

では最後はまとめです。

漢字の成り立ち「官」は、

  • 「宀」と、「(たい)」が組み合わさって成り立った会意文字。
  • 部首は「宀 (うかんむり)」で、画数は8画。
  • 読み方は、(音)カン(訓)[外]つかさ・ おおやけ。
  • 小学4年生の漢字。
  • 漢字検定は7級。
  • 書き順のポイントは、「全体的に、上の冠を横長に書き、四画目~八画目は冠の下に縦長く収まるように書く」「一画目はマスの中心を通るように書く」「四画目の終始点、六画目と八画目の終点は少しはみ出すように書く」。

以上が漢字「官」のまとめです。

いかがでしたか?

ところで、「官」という漢字の意味は役所や役人という公的機関に関する意味がありました。

しかし、「面接官」や「教官」など公的機関ではない人にも「官」が付けられることがりますね。

実はこれ間違いで、面接官は「面接担当者」で、教習所の教官は「教習指導員」なんです。

教習所の教官は、試験場などにいる警察官だけなんだそうですよ。

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