本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。
名前でよく見る「亜」は陰湿なお墓の形から成り立った漢字
成り立ち | 象形文字 |
---|---|
部首 画数 | (部首) 二 (に)(画数)7画 |
読み方 | (音)ア (訓)[外]つーぐ |
学年 | 高校生 |
漢字検定 | 準2級 |
「亜」は名前にもよく見る漢字です。
どちらかというと年輩の方の名前に多く見る「亜」という漢字ですが、「アジアの広さのように大きな希望を持てる子になって欲しい」という意味が込められていて、40年ほど前に流行ったそうです。
しかしながら亜うを名前に付けることには、さらに上の年配の方たちには少し違和感があるようです。
それは亜の成り立ちが禍々しいものからできたと知っているからでしょう。
漢字の成り立ち「亜」
(象形文字)
「亜(ア)」はの旧字は「亞」で、宮中の墓を上から見た、十字の形から成り立った象形文字です。
「亞」では、貴族や王を弔うための儀式が行われました。
王と一緒に葬られるために殺された生贄を前に、死臭と生贄の血の臭いが漂う中、きっと暗い墓の中で祈りが唱えらる様は異様であり、自分も憑りつかれて道連れにされるのではないか、という気味の悪い気持ちになったのではないでしょうか。
このような、本来安らかな眠りを祈るはずの場面で、道徳に反する心、おぞましい気持ちになってしまう心の状態を「惡(悪)」と書きました。
「亞」という場所はネガティブな気持ちにさせる場所だったのです。
一方で、「亜」には次・2番目という意味もあります。
成り立ちから派生するのですが、いくつか説がありようです。
見てみましょう。
なぜ「亞」には、次・2番目の意味があるのか
亜熱帯や亜種など、「亞」の意味には次や二番目という意味もあります。
この説にはいくつかありますので紹介しましょう。
一つ目は、「亞」を取り扱える神官が、重要な役職であるため、家長の次の者が担当したことから、「次・二番目」としての意味を持つようになった説。
もう一つは、「亞」は建物の土台を形どっている、という説もあり、土台とは、建物を支える「上から押さえつけられている・1番にはなれない」というイメージからこのような意味を持つようになったともいわれています。
「亜」の成り立ちにはネガティブな面もありますが、死者を祀るということは、次世代がこれから活躍していくことを願う意味にも繋がります。
「亜」には「大きな希望を持って欲しい」という願いが込められていると、最初のお伝えしましたが、どちらにしても我が子の活躍を願う気持ちが込められているのでしょう。
いや、ひょっとすると、両親が「自分の次に託す希望」みたいな意味も含んでいるのかもしれませんね。
漢字「亜」の書き順・書き方
ゆっくり練習していきましょう。
漢字「亜」書き方・書き順ポイント
★二画目と三画目の縦画は、やや内向きに書く。
★七画目は全画で一番長く、やや反るようにして書く。
漢字の成り立ち「亜」まとめ
では最後はまとめです。
漢字の成り立ち「亜」は、
- 旧字は「亞」で、宮中の墓を上から見た、十字の形から成り立った象形文字。
- 部首は「 二 (に)」で、画数は7画。
- 読み方は、(音)ア (訓)[外]つ-ぐ
- 高校生の漢字。
- 漢字検定は準2級。
- 書き順のポイントは、「二画目と三画目の縦画は、やや内向きに書く」、「七画目は全画で一番長く、やや反るようにして書く」
以上が漢字「亜」のまとめです。
いかがでしたか?
「亜麻色の髪の乙女」という曲はご存じですか?
そうです、島谷ひとみさんがカバーして歌う曲です。
島谷さんのイメージから、亜麻色とはオレンジ系の色かと思っていましたが、実は茶系の色だったんです。
ご存じでしたか?