漢字の成り立ち

漢字の成り立ち「口」

成り立ち博士
成り立ち博士
こんにちは、成り立ち博士です。

 

今日は小学校一年生で学習する「口」という漢字です。

成り立ち・意味・読み方・書き順・うんちくまで分かりやすく紹介します。

特に最後のうんちくでは歌舞伎と「口」のお話しです。

ぜひ最後まで読み進めてくださいね♪

まず最初に成り立ちから見ていきたいと思います。

漢字の成り立ち「口」
(象形文字)


(篆文)

 

 

口のかたちから生まれました。

口を開けた形に似ていますよね。

しかし、甲骨文字や金文文字の時代では口としての意味では使われておらず、神に唱える祈りの文である祝詞のりとを入れる蓋つきの入れ物をかたどったものでした。

願いをこの入れ物に入れて捧げていました。

 

次は漢字の意味を紹介します。

想像以上にたくさんあるんですよ。

漢字「口」の意味

咀嚼のための器官

人間の顔の下の方にある、食べたり飲んだりする部分です。

例:口角(こうかく)、口元(くちもと)、口器(こうき)、口腔(こうくう)、口唇(こうしん)、口内(こうない)、口吻(こうふん)、受口(うけぐち)、経口(けいこう)

しゃべること

例:口にだす(くちにだす)、口数が多い(くちかずがおおい)、悪口(わるくち)、告げ口(つげぐち)、陰口(かげぐち)口々(くちぐち)、口伝(くでん)、口演(こうえん)、口述(こうじゅつ)、口舌(くぜつ)、口答(こうとう)、口論(こうろん)、軽口(かるくち)、語り口(かたりくち)、口上(こうじょう)、口調(くちょう)、無駄口(むだぐち)

出入りするところ

例:入口(いりぐち)、出口(でぐち)、門口(かどぐち)、蛇口(じゃぐち)

物事がはじまる時

例:開口一番(かいこういちばん)、糸口(いとぐち)

人や家、もの単位

例:人口(じんこう)、戸口(とぐち)、間口(まぐち)、個口(こぐち)、口座(こうざ)

刀剣をかぞえる単位

武士が刀で切り口をつけることから、刀を数える時に「口」という単位を使います。

「ふり」と読むのが一般的ですが「くち」「こう」の場合もあります。

 

この次は読み方を紹介します。

漢字「口」の読み方

音読み・訓読み別に見ていきましょう。

音読み

「コウ」
例:口頭(こうとう)、口語(こうご)、口座(こうざ)、口実(こうじつ)、口承(こうしょう)、口証(こうしょう)、口臭(こうしゅう)、口舌(こうぜつ)、口跡(こうせき)、口達(こうたつ)、口腹(こうふく)、口辺(こうへん)、河口(かこう)、緘口(かんこう)、港口(こうこう)、糊口(ここう)、虎口(ここう)、藉口(しゃこう)、衆口(しゅこう)、弁口(べんこう)、利口(りこう)、火口湖(かこうこ)、赤口(しゃっこう)

・風邪を口実に学校を休む。
(かぜをこうじつにがっこうをやすむ)

 

「ク」
例:口調(くちょう)、口伝(くでん)、口分田(くぶんでん)、口説(くぜつ)、金口(こんく)

・先生に強い口調で叱られた。
(せんせいにつよいくちょうでしかられた)

訓読み

「くち」「ぐち」
例:口車(くちぐるま)、口八丁(くちはっちょう)、口利き(くちきき)、後口(あとくち)、秋口(あきぐち)、売り口(うりくち)、薄口(うすくち)、口約束(くちやくそく)、口裏(くちうら)、口癖(くちぐせ)、口先(くちさき)、口中(くちじゅう)、口取り(くちとり)、口火(くちび)、口紅(くちべに)、口偏(くちへん)、歌口(うたぐち)、辛口(からくち)、傷口(きずぐち)、吸口(すいくち)、滝口(たきぐち)、手口(てぐち)、一口(ひとくち)、別口(べつくち)、無口(むくち)、遣り口(やちくち)、口喧嘩(くちげんか)、口下手(くちべた)、口真似(くちまね)、非常口(ひじょうぐち)

その他

猪口(ちょこ)、大口魚(たら)、口琴(びやぼん)、口風琴(ハーモニカ)

 

では次に、「口」を綺麗に書くポイントを紹介しましょう。

漢字「口」の書き順・書き方
(三画)(部首:口)

画数が少なく単純と思われがちな「口」ですが、注意点がいくつかあります。

口の付く漢字はその他にもたくさんありますが、基本の口をしっかりマスターしておけば他も同じなので迷うことはなくなりますよ。

一画目

・マスの左上から右斜め下へ内向きに進み、止めます。

二画目

・一画目の始点よりもわずかに下から、右斜め上に進み、一旦止めます。

・鉛筆を離さずに、左斜め下へ内向きに進み、止めます。

・一画目の始点よりも二画目の曲がり角の方が高くなるようにしましょう。

三画目

・一画目の終点よりも、ほんの少しだけ上から書き始めて、右に進みます。

・書き終わりは二画面の終点よりも少しだけはみ出すように、二画目の曲がり角の縦ラインからはみ出さないようにして止めます。

 

はみ出す部分とはみ出さない部分を注意して書きましょう。

 

今回のうんちくは、歌舞伎(かぶき)の世界で使われる言葉を紹介します。

歌舞伎は古典のお芝居で、日本が誇る伝統芸能でもあります。

観たことはありますか?

迫力のある言い回しや豪華な衣装、しなやかな踊りなど。

内容を完ぺきに理解できなくても、観て楽しめるようなしかけがたくさんあります。

漢字「口」のうんちく

歌舞伎の口上

歌舞伎では、その日の公演が終わるときに「今日(こんにち)はこれぎり」とあいさつします。

このあいさつは切り口上(きりこうじょう)と呼ばれていて、堅苦しい口調で一句を区切りながら話します。

その話し方から、日常生活において、堅苦しく不愛想にあいさつする様子を「切り口上であいさつする」と言います。

 

また、「口説く(くどく)」という言葉も、歌舞伎と日常会話の両方でおなじみです。

歌舞伎の世界では、嘆き悲しみながら、くどくどと心のうちを語る姿が「口説き」の見どころです。

もともとは、同じような節をくどくど繰り返し語ることを指しました。

現在の日常では、相手を納得させようと説得したりお願いする意味として使われています。

 

それでは最後にまとめていきましょう。

漢字の成り立ち「口」まとめ

漢字の成り立ち「口」は

  • 象形文字で、口の形からできたが、甲骨文字や金文文字の時代には神様へ祈る祝詞を入れる入れ物の形をかたどったものだった。
  • 意味は、咀嚼のための器官、しゃべること、出入りするところ、物事がはじまる時、人や家、ものの単位、刀剣をかぞえる単位。
  • 読み方は、「コ」「ク」「くち」。
  • 三画、部首は口。
  • 歌舞伎の「口上」「口説く」

以上が漢字「口」のまとめです。

いかがでしたか?

漢字の成り立から覚えていくと難しい漢字も覚えやすくなりますよ。

楽しく学んでくださいね♪

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