漢字の成り立ち

漢字の成り立ち「草」

 

成り立ち博士
成り立ち博士
こんにちは、成り立ち博士です。

 

小学校しょうがっこう学習がくしゅうする漢字の中かんじ なかに「草」という漢字があります。

この文字もじには様々さまざま意味いみめられているんです。

そのような意味はもちろん、成り立ち・書き方・ためになるうんちく・四字熟語よじじゅくご紹介しょうかいしたいと思います。

 

でははじめに成り立な たちから見ていきましょう。

漢字の成り立ち「草」
(形声文字)


(篆文)

 

 

草を意味する「艸(そう・くさ)」と、音符の「早(そう)」が合体してできた漢字です。

もともと早という字は、物をすくうスプーンを表した文字ですが、「草」に関してはそのような意味で使われる事はなく、「艸」の意味を取りました。

次は意味を確認していきましょう!

漢字「草」の意味

草の意味を見てみましょう。

植物しょくぶつの草

土の上に出つち うえ でている植物です。

一般的いっぱんてきにはこちらの意味が有名ゆうめいですね。

忍者にんじゃ

 大河たいがドラマでよく見る忍者。

よく見ていると会話の中に「草(くさ)をはなちました。」という言葉が出てきます。

その場合ばあいには草=忍者ですよ。

名詞に似めいし にているもの、素人しろうと

よく気軽きがるに「草野球くさやきゅう」という言葉を使うと思います。

この場合の「草」「野球」は「素人がしている」「野球」という意味なんですね。

その他にも「草相撲くさずもう」なんていう言葉もあるんですが、それもプロではないアマチュアの相撲ということになります。

このように草+名詞で、草の下に付く名詞に似ているものや素人を表す表現になります。

草が生えている広場

草が生えている広い草原などを表す場合にも使われます。

原因 げんいん

様々な事の原因を示す言葉としても使われます。

その具体例ぐたいれいが「語り草かたりぐさ」や「お笑い草おわらいぐさ」などです。

下書したが

下書きを表す場合もあります。

草案そうあん」などが具体例です。

漢字の書体 

習字しゅうじで草という言葉が出てくると、草書体そうしょたいを示します。

物事ものごとの始まり

物事の始まりを意味するパターンもあります。

「草創期(そうそうき)」が代表例だいひょうれいです。

粗末そまつ

粗末な姿すがたを表す表現としても使われます。

「草屋(そうおく)」が具体例です。

 

以上が草の意味になります。

たくさんの意味がありますね。

 

次は読み方です。

確認していきましょう。

漢字「草」読み方

音読みと訓読みに分けて説明していきますね。

音読み 

「ソウ」

例:牧草(ぼくそう)、草案(そうあん)、海草(かいそう)、ほうれん草(ほうれんそう)、薬草(やくそう)、除草(じょそう)、雑草(ざっそう)、草草(そうそう)、含羞草(おじぎそう)、草茅危言(そうぼうきげん)

・庭の雑草を抜く。
(にわのざっそうをぬく)

訓読み

「くさ」「ぐさ」

例:徒然草(つれづれぐさ)、草花(くさばな)、草木(くさき)、草抜き(くさぬき)、道草(みちくさ)、草枕(くさまくら)

・学校の帰りに道草を食う。
(がっこうのかえりにみちくさをくう)

その他

・煙草(たばこ)、草履(ぞうり)、草鞋(わらじ)、草臥れる(くたびれる)

 

書き順も見ていきましょうね。

漢字「草」の書き順・書き方
(9画)(部首:艹)

それでは書き方です。

一画目

・マスの左上ひだりうえからよこにまっすぐ右へ進みぎ すすみ、めます。

ニ画目

書き始か はじめは一画目の横線の三等分よこせん さんとうぶんになるように書く。

少し内向すこ うちむきに下へ進した すすみ、める。

三画目

・書き始めは一画目の三等分になるように書く。

・内向きに下へ進み、そのまま短くはらう。

四画目

・短く内向きに下へ進み止める。

五画目

・四画目の書き始めから右へ進み一旦止いったんとめて、そのまま内向きに下へ進み、止めます。

六画目

・四画目の真ん中から右へ進み、止めます。

・五画目にぶつかったら、止めます。

七画目

・四画目と五画目の書き終わりが少しはみ出るように横線を引きます。

八画目

・マスの左下から長めの横線を書き、止めます。

・少し斜め右に進みます。

九画目

・七画目の真ん中(マスの中心を通る)から下に向けて下へ進み、そのまま真下にはらいます。

 

次に草に関するうんちくも見ていきましょう。

漢字「草」のうんちく

 

秋にもある七草

1月7日のあさ七草粥を食べる風習ななくさがゆ た  ふうしゅうがありますね。

こちらで食べるのは正式せいしきには「春の七草はる ななくさ」です。

こちらの七草はスーパーマーケットで購入こうにゅうする事ができます。

それに対してあきにも七草があるのもご存知ぞんじですか?

秋の七草とは「萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみえなし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)」の七種類ななしゅるいです。

春は七草粥として食べるためのものですが、秋の場合は残念ざんねんながら食べる事は出来できません。

観賞用かんしょうようとして世の中に流通よ なか りゅうつうしているんです。

 

次は草に関する四字熟語を紹介します。

大自然にも魂だいしぜん  たましいがあるというお話しです。

山川草木(さんせんそうぼく)

この四字熟語の中には4つの自然しぜんを表す漢字が使われています。

あらゆる自然という意味です。

そしてこれは仏教ぶっきょうの話にもよく登場とうじょうします。

大自然だいしぜんのものには全て魂すべて たましいがあるというたとえで、「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」というおきょうもあるくらいです。

自然は大切たいせつにしましょうね。

漢字の成り立ち「草」のまとめ

最後にこの記事をまとめていきましょう。

  • 草原に生えている草の象形文字・太陽の象形文字である日・人の象形文字から出来ている形声文字。
  • 植物の草以外にも、忍者を表すなど様々な意味がある。
  • 音読みなら「そう」、訓読みなら「くさ」と読まれる。
  • 全体的に左上に向けて書くのがポイント。
  • 春の七草は食べられるけど、秋の七草は食べることが出来ない。
  • 四字熟語の山川草木は全ての自然を指している。仏教の経典にも出てくる。

 

以上いじょうがまとめです。

ためになるので、是非覚ぜひおぼえておきましょうね。

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