本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。
漢字の成り立ち「先」
[chat face=”character_hakase.jpg” name=”成り立ち博士” align=”left” border=”gray” bg=”gray” style=”maru”]こんにちは、成り立ち博士です。[/chat]
学校に行くと、たくさん先生がいますね。
今回は先生の中に使われている「先」という文字をクローズアップしていきたいと思います。
成り立ち・意味はもちろん、ためになるうんちくまで紹介したいと思います。
最後までご覧になって下さい。
まず最初に文字の成り立ちから見ていきましょう。
漢字の成り立ち「先」
(会意文字)
↓
↓
先
会意文字です。
止(足跡→行く)と儿(人)を合わせてできた漢字です。
止は行くという意味を持ち、儿(人)よりも上にあることから、「行く」が強調されて「他より先頭に出る」という意味を持ちました。
次に意味を確認していきましょう!
漢字「先」の意味
こちらでは意味を見ていきましょう。
物の先端部として
物体の先端部を表します。
「車の先端」などと書きます。
先頭としての先
「先頭を切って走る。」など、一番最初を意味する表現にも使われます。
時間的に早い事
「先に到着する」と使うと、時間的に早い事を示しています。
順序が早い事
「代金を先に払うよ。」などと言うと、順番が早い事を表します。
その時よりも以前である例え
「先にも言ったように」というと、「以前に言ったが。」という意味になります。
後に続く部分
「早くマンガの先の展開を知りたい。」というと、「物語のその後の展開を知りたい。」という意味になります。
将来
「先の事が心配」というと、「将来が心配」という事になります。
出かける場所
「旅行先」や「出張先」だと、出かける場所になります。
取引先
「相手方」や「先方」というと、仕事で取引する相手を表します。
以前役職に付いていたこと
「先の社長」「先代」と書いて、以前役職に付いていた社長を表します。
先に攻める人
最初に攻める人を表します。
囲碁や将棋では「先手」と使われます。
この一文字だけで色んな意味がありますね。
次に読み方を確認してみます。
漢字「先」の読み方
音読み・訓読み別に確認していきましょう。
音読み
「セン」
例:先生(せんせい)、先覚(せんかく)、先口(せんくち)、先君(せんくん)、先駆(せんく)、先妻(せんさい)、先日(せんじつ)、先進(せんしん)、先週(せんしゅう)、先勝(せんしょう)、先制(せんせい)、先祖(せんぞ)、先天(せんてん)、先入(せんにゅう)、先任(せんにん)、先番(せんばん)、機先(きせん)、先例(せんれい)、先住民(せんじゅうみん)、先入観(せんにゅうかん)、優先(ゆうせん)
・今日は先約があるので行けません。
(きょうはせんやくがあるのでいけません)
訓読み
「さき」
例:指先(ゆびさき)、先頃(さきごろ)、先付(さきづけ)、先箱(さきばこ)、先物(さきもの)、刃先(はさき)、筆先(ふでさき)、矛先(ほこさき)、店先(みせさき)、目先(めさき)、小手先(こてさき)、舌先三寸(したさきさんすん)、水先案内8みずさきあんない)
その他
例:先ず(まず)
では次に、綺麗に書くためのポイントも確認していきましょう。
漢字「先」の書き順・書き方
(六画)(部首:儿 )
綺麗に書くためのポイントを確認してみましょうね!
一画目
・マスの左上から左下に短くはらいます。
ニ画目
・一画目の中間付近から少し右上に向かい、止めます。
・比較的短い横線です。
三画目
・マスの真ん中から真っ直ぐ、短めに下へ進みます。
四画目
・少し右上がりに長めに進み、止めます。
五画目
・左下へ進み、ゆっくりはらいます。
六画目
・マスの中心近くから真下へ進み、角にならないよう右へ曲がり、上にはねます。
では先に関するためになるうんちくも紹介したいと思います。
漢字「先」のうんちく
今回は四字熟語である「先手必勝(せんてひっしょう)」を紹介したいと思います。
この四字熟語は「勝負事は先手を打っておいた方が有利に事を進める事ができる。」という例えです。
つまり最初に攻撃を仕掛けるなど、一歩リードする方が勝負事では勝つ可能性が高くなります。
そのいい例が国民的なスポーツである野球です。
野球は一回の表から九回の裏までありますが、早い回である一回や二回で先制点を取ると、余程力に差がない限り逆転するのが難しくなります。
野球などのスポーツだけでなく、囲碁や将棋の世界でもよく使われています。
漢字の成り立ち「先」のまとめ
ではこのブログ記事をまとめていきましょう。
- 人と足跡の象形から成立している。
- 様々な意味があるが、時間的な先や物理的な先という意味で使われている事が多い。
- 音読みだと「せん」、訓読みだと「さき」や「まず」と読まれる。
- 三画目の縦線をマスの中心に書くと、バランスよく書くことができる。
- 先という漢字を利用した四字熟語の中に「先手必勝」というのがある。こちらの意味は、「主に勝負事は先に先手をとった方が有利」という意味である。
以上がこの記事のまとめです。
一緒に覚えておくと良いでしょう。
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