本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。
面白い漢字の成り立ち25選!今すぐ人に話したくなる漢字を集めました!
ここでは、きっとあなたが「面白い!」「誰かに話したくなる!」ような面白い漢字の成り立ちを25個集めました。
少しお下劣なものから「ほほ~ぅ」と勉強になるものまで、同時に古代文字の掲載もありますので、漢字成り立ちを絵で見ながらも楽しんでいただけるはず。
普通に辞書を引いても出てこない漢字の成り立ちを掲載しています。
それではどうぞ!
糞の成り立ちは、「米++廾」でできた会意文字です。
米は「大便」、は「ちりとり」、廾は「両手」という意味があります。
つまりは、「大便をちりとりに両手を使って入れて捨てる」様子を表した漢字だったのです。
現在「糞」は「大便」の意味で使われていますが、もともとはこんな意味だったんですね!
古代の人は大便もちりとりで片付けていたことから、「糞」が大便の意味として使われるようになったそうですよ。
では、中国で大便を表す時って、どんな漢字を使うのでしょうか?
屎が本当の大便だった!
中国で「大便」言えば、「屎」が使われます。
屎の成り立ちは、音を表す「尸」と意味を表す「米」から成り立った形声文字です。
「尸」は体を表し、「米」は穀物ではなく「小さな粒」を表しています。
つまりは、体から小さなものが排出される(大便)様子が表された漢字なのです。
甲骨文字が分かりやすい・・・(笑)
厠はトイレの意味だけど古代のトイレと言えば・・・
トイレシリーズが続きます(笑)
厠の成り立ちは、音を表す「則(ソク)」と意味を表す「」が組み合わさってできた形声文字です。
トイレという意味のある「厠」は、本来「廁」と書かれていました。
「則」は本体のそばにくっついている様子を表し、「」は家を表しています。
つまり「厠」は、家のそばに付けて作った便所のことを指します。
もう一つ、説文解字(最古の部首別漢字字典)には、「圂(コン)」という漢字があります。
これもトイレのことですが、漢字を見て想像できるように、囲い(小屋)に豚がいるという意味。
古代のトイレは豚小屋も兼ねていて、用を足す場所の下には豚がいて、下に落ちたものを食べていたのだそうですよ。
司に付いている小さな穴ってどこだろう
司の成り立ちは、「人」と「口」が組み合わさって成り立った会意文字です。
「人」は左向きの人を表し、「口」は肛門を表しています。
つまりは人間の肛門。
肛門は小さいので、「司」のイメージは「小さい穴」。
小さい穴ほど狭い様子を見るという意味で「うかがう」として使われるようになったそうです。
安とは誰が安静にしている情景なのか
安の成り立ちは、「宀(いえ)+女」が組み合わさって成り立った会意文字です。
月経の時に女性がおむつをして家で静かに過ごす様子を表しています。
ここから月経の意味が省かれて「穏やかに落ち着いている」という意味となりました。
音読みの「アン」は、朱殷(しゅあん・時間がたった血のような暗い朱色)のことを指し、月経の色を表しているといいます。
古代の医療で使われていたものとは?
旧字体は「醫(イ)」。
医の成り立ちは、音を表す「殹(エイ)」と意味を表す「酉」が組み合わさってできた形声文字です。
「殹」は、何かを覆い隠すイメージを持つ漢字、「酉」は酒つぼを表しています。
「醫(イ)」の本来の漢字は「毉(イ)」で、「毉」の漢字にも入っているように、巫女がお酒を使って病気を治すことが始まりでした。
しかし後に、病気には薬が用いられるようになり、毉ではなく醫の漢字が使われるようになりました。
押印の執拗さ
印の成り立ちは、下向きの手の形を意味する「爪」と、跪いた人の形を表す「卩」が組み合わさって成り立った会意文字です。
手で上から強く抑える様子であり、つまりは屈服させている様子が表された漢字なのです。
のちに上から押さえつけてしるしを付ける「いん」として使われるようになりました。
成り立ちを知ると、押印という単語は、どちらも押さえつける意味があり、執拗さを感じますね。
牛の特徴をとらえたかっこいい古代文字
牛の成り立ちは、角がある牛を正面から見た形を表した象形文字です。
読み方の「ギュウ」は牛の鳴き声から取ったと言われています。
血の中に入っていたものは何か?
血の成り立ちは、皿の中に血の塊があるのを表した象形文字です。
『漢字語源辞典』でも、「チを血と称するのは、それが全身を巡回し、また血塊が滑性を帯びているところからの命名であろう」と述べているように、古代の人々は胎内を血液が循環するというイメージを持っていたと考えられます。
誓いを立てる「血盟」の場では、皿に血を盛ってすすりました。
後に皿の部分が端折られて、中身の血のみの意味となりました。
「皿」と「血」はすごく似た漢字ですが、実は関係のある漢字だったのですね。
交とは何が交わった漢字なのか?
交の成り立ちは、大人の人間が足の脛(すね)を交差させている様子を表した漢字です。
後に脛の意味が消え、「まじわる」という意味だけが残りました。
行の金文がコミカルで面白い
行の成り立ちは、四方に道が延びる十字路の形を表した象形文字です。
十字路は人通りの多い道を目的地に向かって「いく」となり、その後「いく」というそのものの行為を表し「おこなう」という意味で使われるようになりました。
「行」が「コウ」と読むのは、同じ「まじわる」というイメージを持つ「交」からきています。
金文って何かコミカルに見るのは私だけ・・・?
士は男性のアレが関係している
士の成り立ちは、立っている男性器の形を表した漢字。
「士」にはりっぱな男子という意味がありますが、「男性器が立つのは若くて元気がよい」というところからきています。
「男性器が立つ」というと卑猥な意味で受け取るかもしれませんが、これは、男児が成長して子をなす能力が備わり、一人前の男性になったことを表しているのです。
同じく「祖先」の「祖」の元となった「且」も同じ、男性器が立った形という説があります。
代々男女の交わりがあったからこそ、現代まで何世代も繋がっているのです。
自分を指す時はどこを指す?
自の成り立ちは、鼻の形を表した象形文字。
現在では「シ・ジ」と読みますが、元々は「ヒ」でした。
鼻は顔から出ていますが、その「出」が「シ」と読まれていたので、そこから借りて「シ」となりました。
自分のことを指す時には鼻を指すことが多いので「じぶん」という意味で使われるよになりました。
そのおかげで「はな」を意味する漢字として新たに「鼻」が作られました。
属すとは誰が何に属しているのか?
旧字は「屬」。
属の成り立ちは、音を表す「蜀(ショク)」と意味を表す「尾」が組み合わさって成り立った形声文字です。
「蜀」は続くという意味があり、「尾」は女性器を表しています。
女性器から続くもの、それは赤ちゃんでしょうか。
女性が赤ちゃんを生み、家族となって続いていく。
これが「属」の意味でした。
ですので、家族の族の元の漢字は「属」だったと言います。
その後簡素化され、「つく」という単純な意味で使われるようになりました。
題は奴隷のひたいに印を付けて印を付けるところからできた
題の成り立ちは、頭という意味を表す「頁」と音を表す「是(シ)」が組み合わさって成り立った形声文字です。
「頁」はひたいを意味し、「是」はまっすぐ、正しいというイメージを持つ文字です。
頭が前に突き出ている部分=ひたいがその意味で、ひたいは体の突き出し部分であり、さらに古代では、奴隷の額に印を付けて所属を表したたことから、「題名」や「表題」というような使われ方をするようになりました。
蚊はその嫌な飛散音からできた漢字
旧字は蟁。
蚊の成り立ちは、音を表す「文(ブン)」と、意味を表す「虫」が組み合わさってで成り立った形声文字です。
「ブンブン」と蚊が飛ぶ音を表した漢字なのです。
商は□は股の穴?
商の成り立ちは、音を表す「章(ショウ)の略字」と意味を表す「冏(とつ)」が組み合わさってできた形声文字。
章は「明らか」というイメージをを持ち、「冏」は「隅、底」という意味があります。
合わせると、「商」は、不確かな事をはっきり明らかにする状況を表した漢字となります。
このようなことから、割り算の答えのことを「商」と言います。
あきないをする人は商の国の人が多く、後に、「商人」が「あきんど」を指すようになりました。
そして商の国は名前が殷(いん)となったのです。
しかし「商」には所説あり、他にも面白い説として、「冏」女性の股の穴の形を表し、「章」はくさびの形を表しているというものがあります。
女性の股の穴というのは、つまりは女性器。
「商(あきなう)」として使うのは単なる借用であり、本来の漢字は「唱」で、呼び込んで売る、という説もあるそうですよ。
心は精神のつかさどる場所
心の成り立ちは、心臓の形を表した象形文字です。
心音が精神をもつかさどる場所だと思われていたので、「精神」としての意味で使われるようになりました。
身とは何が詰まっている漢字なのか?
身の成り立ちは、大きなお腹を持つ、妊娠した女性を横から見た形を表した象形文字です。
妊娠を「身重(みおも)」とも言いますが、身が、「詰まっている」というイメージを持ち、お腹の中で生命が詰まっていることが表されているのです。
「重」は、重量が「おもたい」ではなく、重なっているという意味。
一つの体の中にもう一つ体が重なっていることが表されています。
色はもともとカラーを表す漢字ではなかった
ひざまずいている人の背中に、別の人がおおいかぶさる様子を表した象形文字です。
これが表されているのはつまり、男女の性行為のこと。
勉はお産が関係した漢字
音を表す「免」と、意味を表す「力」が組み合わさった形声文字。
「免」は女性がしゃがんでお産をしている様子を表し、「力」は「ちから」に関連することで使われる漢字。
狭い産道を通して、赤ちゃんを無理やり出すことからできました。
のちに出産の意味はなくなり、努力するという意味だけが残りました。
保は赤ちゃんを愛でる優しい漢字
「呆」と「人」が組み合わさってできた会意文字です。
「呆」は産着を着せられた赤ちゃんを表し、「人」は人が関連するものに使われます。
つまり、人が赤ちゃんを守っている様子を表した漢字です。
「保」の終わり四画が片仮名の「ホ」に、草書体が平仮名の「ほ」になりました。
母とは女性の特徴を掴んだ漢字
「女」に二点を加えて、乳房を強調し、子供に授乳する母親を表した指事
篆文の乳首がやけにリアルです(笑)
包は何をつつんでいるのか?
「勹」と「巳」が組み合わさってできた会意文字です。
「勹」は人が丸くつつむイメージを持ち、「巳」は胎児を表しています。
このことから「包」は、生命を受けたばかりの胎児が子宮に包まれている様子が表された漢字なのです。
篆文を見るととても分かりやすいですね。
北はいつも日陰
「人」と「匕」が組み合わさってできた会意文字です。
「人」は人間に関係することを表し、「匕」は人の鏡文字で、つまり、人が背中合わせに向いている様子を表しています。
「ホク」という読みは、暗いを意味する「墨(ボク)」からきています。
古典には「南は陽位なり「北は陰位なり」とあるように、 北はいつも南と反対の方位として表され、主君が座る席も南側に設けられ、臣下はその反対の北側に座っていました。
背中合わせ(←→)の形としてできたのです。
面白い漢字の成り立ち25選!まとめ
今回は、面白い漢字の成り立ちを25個紹介しました!
いかがでしたか?
こやってまとめてみると、女性に関する成り立ちがとても多いことが分かります。
実は部首にも女偏はあっても男偏はありません。
男という字が付く漢字でも、意味合いとしては脇役であることが多いのです。
女性の存在の大きさが漢字の成り立ちにも表れているといえるでしょう。
あなたはどの成り立ちがお気に入りですか?