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漢字の成り立ち「天」

本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。

 

[chat face=”character_hakase.jpg” name=”成り立ち博士” align=”left” border=”gray” bg=”gray” style=”maru”]こんにちは、成り立ち博士です。[/chat]

 

この文字は小学校一年生で学ぶ「天」という漢字です。

ここでは、うんちくや成り立ちなどを紹介したいと思います。

ぜひ最後までご覧下さい。

それでは最初に成り立ちから見ていきましょう。

漢字の成り立ち「天」
(象形文字)


(金文)

 

 

人の体を正面から見た様子に、人間の頭部を付けたのもが天の成り立ちです。

人間の体で一番高い部分は頭ですが、それよりも高い場所にある空を「頭のように高い場所」という意味で天にも空のような意味がつけられました。

 

ちなみに、天の草書体から「て」、天の三画目までを取って「テ」が誕生しました。

↑ひらがなの「て」のもととなった天の草書体(早く書くための書体)


↑天の三画目まででカタカナの「テ」のもととなった。

 

では次に意味を見ていきましょう。

目次

漢字「天」の 意味は?

頭の上にある広大な空間

分かりやすく言うと「大空」です。

よく失敗した時に「天を仰ぐ」といいますよね。

空には神様がいると信じられていて、何か嘆き悲しみたい時に神様に訴えたい意味が込められています。

人智の及ばない対象を表す

全てを支配する神を示す時にも使われます。

よく「天の助け」と言いますよね。

こちらの意味になります。

運命を表す

自分たちではどうしようもならない運命を表す場合の意味です。

「病気は天命だから仕方がない。」と使われます。

仏教の天界を表す

悟りを開いた人が死後に住むことを許されている場所を表します。

葬儀で「無事天界にたどり着いた」と導師が言うと、無事成仏したことになります。

キリスト教でいう天国

キリスト教で天というと、天国を表します。

 「天にいる我が母」と言うと亡くなった母親になります。

掛軸などの上下が決まっている部分の上部

掛軸やガラス細工には「天地無用」と記載されていますよね。

天の部分を上にしてくださいという意味です

事の初めや最初を示す

「天から始まる。」という文章だと、物事が最初から始まる事を示します。

 

次は読み方について紹介していきます。

意外な読み方があるかもしれませんよ?

漢字「天」の読み方

音読み

「テン」

例:天上(てんじょう)、天界(てんかい)、天災(てんさい)、天然(てんねん)、天才(てんさい)、天気(てんき)、天国(てんごく)、天下泰平(てんかたいへい)、天下に独歩す(てんかにどっぽす)、天麩羅(てんぷら)、天文(てんもん)

・バカと天才は紙一重(てんさいとばかはかみひとえ)

・あの人は天涯孤独(てんがいこどく)

訓読み

「あめ」

例:天(あめ)、天地(あめつち)

「あま」

例:天邪鬼(あまのじゃく)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、天下り(あまくだり)

・あの人は親会社から天下ってきた人。

・最近我が子は天邪鬼だ。

その他

天(そら)、天晴(あっぱれ)、天牛(かみきりむし)

 

書き方についての記事も書いていきますね。

漢字「天」の書き順・書き方
(四画)(部首:大)

それではこの文字の書き方をお伝えしていきますね。

一画目

・マスの左上から、少し左斜め上に書き、止めます。

二画目

・一画面よりも短めに右へ進み止めます。

三画目 

・マスの中心からまっすぐ下へ進みます。

・二画目まできたら、左斜め下へ進みはらいます。

四画目

・二画目と三画目の交わる所から書き始めます。

・右斜め下へ進み、はらいます。

三画目と四画目の書き終わりを揃えると綺麗に見えますよ。

 

それでは次に天に関するうんちくを紹介していきましょう!

天は仏教でも出てきます!

漢字の「天」のうんちく

宗教における「天」

天という言葉は宗教でもよく出てきます。

中国で天というと最高神(サイコウシン)を表します。

また日本でも「天子様(テンシサマ)」つまり天に変わって国を治める人として天皇を指すこともあります。

ヨーロッパのキリスト教での天は神の使いとして天使が登場する時もあります。

そして古い文献などや神話などを確認すると、最高神が住む場所としてよく出てくるのです。

このように天とは、ただ単に空のように物理的に高いという意味だけではなく、宗教にとっても欠かせない文字なのです。

 

そして宗教だけではありません。

朝日新聞という全国的にメジャーな新聞にも天はあります。

詳しく紹介したいと思います。

天声人語は庶民の声

天声人語(てんせいじんご)とは、その時々の時事ニュースなどを朝日新聞の論説委員が解説しているもので、誰でも手軽に読むことができるコラムです。

文章レベルの高さから、有名大学入試の現代文の試験に利用されています。

その天声人語は「天に声あり、人をして語らしむ」という、中国の古典が基本理念となっていると言われています。

この古典は天の声つまり自分の頭の上から聞こえるような大切な事は、実は庶民が話すという事を伝えているのです。

このようなポリシーで論説文を書いているから、入試に採用されるくらいの名文が生まれるんでしょうね。

時間がある時に天声人語を読んでみて下さい。

生きていく上で参考になることがたくさん記載されていますよ。

漢字の成り立ち「天」のまとめ

最後に天の記事をまとめていきたいと思います。

  • この文字は人の頭部を強調して作られた指示文字です。人を表す大に、上を表す一を掛け合わせて作られています。
  • 音読みで「テン」訓読みで「アマ」と読まれます。音読みの例は「天上(てんじょう)」、訓読みの例は「天邪鬼(あまのじゃく) 」です。一般的には「テン」と読むのがほとんど。
  • 綺麗に書くには気持ちだけ右上に書くのが良い。その点を守れば綺麗に書く事ができる。
  • 基本的には大空の意味で使われる。また人智の及ばない存在の象徴としても使われている。
  • 天の一文字で宗教上の最高神やその最高神が住んでいる場所を表している。それだけでなく、その最高神の使いとして「天使」や「天子」などが使われている。このように宗教には絶対に必要な文字。
  • 朝日新聞の天声人語は「庶民の声こそ天の声」つまり「大事な天の声は庶民が話す」をモットーに作成されている。またそのレベルの高さから、有名大学の入試によく登場する。

以上が漢字「天」に関するまとめです。

このようなポイントも一緒に押さえておくといいでしょう。

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