怖い漢字の成り立ち

漢字「央」はみせしめによる惨めな刑罰から成り立った漢字

成り立ち 象形文字
部首 画数 (部首) 大 (だい)(画数)5画
読み方 (音)オウ (訓)(外)なか
学年 小学3年生
漢字検定 8級

「央(おう)」は、首かせを付けられた人からできた象形文字です。

人の首が首かせのまんなかにあることから、「まんなか」を意味する「央」という漢字が成り立ったといわれます。

漢字の意味としては、まんなか、ちゅうしん、ちゅうと、たけなわ(真っ最中)、久しい、遠い、つきる、やむ(すっかり終わる)、ひろい、などの意味があります。

「央」という漢字は、現在では物事の中心人物になるように、人に囲まれるような人生を送れるようにと願って男女を問わず子供につける漢字として人気です。

しかし「央」の成り立ちは、本来子供の明るい将来を願うような文字ではないのです。

一体どんな成り立ちのなでしょうか?

見ていきましょう。

漢字の成り立ち「央」
(象形文字)

漢字の成り立ち<象形文字とは>

 

「央」という漢字は前述した通り、捕虜が首かせをつけられている様子を表した象形文字です。

甲骨文字・金文・篆文を見ると、何かのキャラクターのようで可愛らしい成り立ちなのかと思っていたら驚きますよね。

かせは古くより使われている刑具の一つで、戦争で敗れ捕虜になった者は首にかせを付けられました。

時代劇などでも、罪人が首に枷を付けられた状態で引き回しをされているのを観たことがあるかもしれません。

大きな板で顔に手を近づけることもできなかったり、場合によっては鎖などで手を常ぎ留められていたりもしましたので、食事も自分の手で食べることができませんでした。

 

想像してみてください。

首にかせをはめられて、自分で食事ができないという状態を。

すごく屈辱的じゃないですか?

そうなんです。

このようなかせを付けられるということは、見せしめの効果もあるのです。

かせは古代中国時代からの刑罰ですが、20世紀初期まで続いていたそうですよ。

「央」にはまんなか、ちゅうしん、という意味がありますが、この意味は刑罰により取り付けられたかせの中心に頭があることを意味しているのです。

同じ中心あることでも、本来の意味を知ると言葉の受け取り方もだいぶ変わってきますよね。

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