成り立ち | 形声文字 |
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部首 画数 | (部首) 尸 (かばね・しかばね)(画数)8画 |
読み方 | (音)クツ(訓)(外)かが-む・ くぐ-まる・ こご-まる |
学年 | 中学生 |
漢字検定 | 4級 |
「屈(くつ)」は、意味を表す「尾」と音を表す「出(シユツ)→(クツ)」が組み合わさってできた形声文字です。
漢字の意味は、かがむ、かがめる、くじく、くじける、従う、服従する、強い、です。
「屈」という漢字を見ると、屈指(クッシ)、屈服(クップク)、理屈(リクツ)など、何かを曲げるような意味で使われていることが多いように思います。
さて、この漢字から曲がるような意味合いができたのはどうしてでしょうか?
実は屈の成り立ちには男性にとって屈辱的で想像しただけで顔面蒼白ものの極刑からうまれた漢字なのです。
解説していきましょう。
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漢字の成り立ち「屈」
(形声文字)
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「屈(くつ)」は、意味を表す「尾」と音を表す「出(シユツ)→(クツ)」が組み合わさってできた形声文字です。
上記篆文では「尾+出」でしたが、隷書・楷書では「尸+出」と字体が変わりました。
「出」は水平の所からポコンと出ているイメージ、「尾(尸)」はお尻を意味しており、ポコンとお尻が出ているで、屈の基本イメージは「かがむ」です。
お尻を出してかがんでいる所からできた漢字とはどのような成り立ちなのでしょうか?
それは所説ありますが、「尾(尸)」は男性器で、男性の生殖器を切り取る「宮刑」からできたという説があります。
古代には麻酔などありませんので、直接生殖器を切断されるという行為は想像を絶する痛みが伴ったはずです。(男性なら想像するだけで顔面蒼白の事態ですね)
生殖器を切断するということは、男性としての生殖機能を完全に奪う刑罰で、子供を作る、子孫を残すことが何よりも親孝行である中国にあって、最悪の恥であり屈辱だったのです。
その辱めを受けながら命を失うことなく生きていき、宮中で奴隷のように働かされました。
これが宮刑と言われる理由であり、宦官(かんがん、去勢した男性で皇帝や后たちの身の回りを世話する人)の始まりと言われています。
しかしながらこの宦官は、実は安定した人気職でもあったようで、刑罰でなくても自ら切り取り、この職を手にする者もいたそうです。
しかし、麻酔もないほどの時代では、傷口が化膿して腐ってしまう事もあり、死亡する人も続出で、「腐刑」とも言われました。
刑罰であれ自らであれ、生き延びてもその痛みは地獄と苦しみを伴いました。
その痛みにかがんで苦しむ様子から、かがむ、かがめるという意味ができたのです。
また、生殖器が切断されても生きている生命力や忍耐力で、つよい、という意味も含まれるようになりました。
強いという意味を表す熟語に「屈強」がありますが、その意味はきわめて力が強く頑丈なさま、となっています。
刑罰や痛みにも屈しない様子は強いと表現するに値するほどだったのでしょう。
漢字「屈」の書き順・書き方
ゆっくり練習していきましょう。
漢字「屈」書き方・書き順ポイント
★一画目の始点とニ画目の終点を少しはみ出るように書く。
★四画目~八画目の「出」は、マスの中心よりもやや右寄りになるように書く。
漢字の成り立ち「屈」まとめ
では最後はまとめです。
漢字の成り立ち「屈」は、
- 意味を表す「尾」と音を表す「出(シユツ)→(クツ)」が組み合わさってできた形声文字。
- 部首は「尸 (かばね・しかばね)」。
- 画数は8画。
- 読み方は(音)クツ(訓)(外)かが-む・ くぐ-まる・ こご-まる。
- 中学生で習うの漢字。
- 漢字検定は4級。
- 書き順のポイントは、「一画目の始点とニ画目の終点を少しはみ出るように書く」「四画目~八画目の「出」は、マスの中心よりもやや右寄りになるように書く」。
以上が漢字「屈」のまとめです。
いかがでしたか?
漢字の成り立ちを知るとますます漢字を学ぶのが楽しくなりますね♪