本記事は筆者独自の見解です。漢字に親しみを覚えていただければ幸いです。
「残」の成り立ちはバラバラされ残った骨からできた残酷な漢字
成り立ち | 形声文字 |
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部首 画数 | (部首)歹 (かばねへん・いちたへん・がつへん) (画数)10画 |
読み方 | (音)ザン (訓)のこる・ のこす (外)そこなう |
学年 | 小学4年 |
漢字検定 | 7級 |
日常で使われることも多い「残」という漢字。
「がっかり」という意味で残念と言ったり、「残念(だけど可愛い)」みたいな意味でも使うことがあります。
しかし、実は刑罰の意味からできた漢字だということをご存じでしょうか?
しかも刑罰の中でも長く苦しむような刑なのです。
長く苦しむとは、人間の体の部位を少しずつ切り取っていくこと。
詳しくみていきましょう。
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漢字の成り立ち「残」
(形声文字)
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「残」は、意味を表す「歹(がつ)」と意味を表す「戔(さん、ざん)」を合わせて作られた形声文字です。
「残」の意味はのこる、あまり、むごい、ひどいという意味があります。
「残」の左側「歹」の部分は人の死体、胸から上の骨が残っている形、「戔」の部分は「戈(ほこ)を2つ合わせた文字で、意味は刃物でけずって小さくする、少ないという意味があります。
「残」の旧字体である「殘」(右側は戔(さん))で確認すると良く分かりますが、ばらばらになってわずかに残っている骨の指し、「のこる」という意味を指すようになりました。
「歹」自体の意味が人の死体、胸から上の骨が残っている形であるので、本来ならばそれだけで「のこる」となるはずです。
それに「戔」を付けたのはどうしてなのでしょうか?
刃物で物をそいだり削ったりする状況であり、死体が骨だけ残っている形にするには刃物がいる、そのために「歹」と「戔」を合わせたのです。
ばらばらに残っている骨、白骨死体を刃物でずたずたにするという意味に繋がりますが、この様子はむごたらしい以外に言葉がなく、むごいという意味に繋がるのです。
この「むごい」「ひどい」という意味は「歹」と「戔」の繋がりから理由を見ることで意味を理解することができます。
残のつく四文字熟語を見てみましょう。
残息奄々(ざんそくえんえん)…息絶え絶えで、今にも死にそうなさま
無念残念(むねんざんねん) …非常に残念であること、心残りであること
敗柳残花(はいりゅうざんか) …美人が盛りを過ぎて、容貌が衰えたことのたとえ。
文字の意味同様、あまり良い四文字熟語ではありません。
残念な意味が多くなってしまうのは仕方がないのでしょうか。